
樹々を前に立ち止まる人々。事故や病気、破産。それぞれの理由をもって、これまでスムーズに運んできた動作を断ち切られた8組の家族が、歩みを止めることで、むしろそこから道を開いていく。2019年ピュリッツァー賞を受賞したパワーズらしい大著。
原文に通底したテーマは“Still"。
じっとそのまま。それでも。まだなお。止まることは、そう怖いことだろうか。留まることから開かれる世界への希望を思わせるこの言葉は、「TUNING BOOKS」が指針とする一語です。
著者:リチャード・パワーズ
翻訳:木原善彦
発行:新潮社
140mm × 195mm
674P